甘酒は炊飯器を使うとほぼほったらかしで簡単に作れるのをご存知ですか?今回は甘酒の歴史や栄養成分についてや、炊飯器を使って簡単につくれる方法を紹介します。
目次
甘酒とは?
甘酒とは米麹とご飯から作られ、アルコールは含まないものを言うそうです。
甘酒が「飲む点滴」と言われる理由
甘酒にはブドウ糖、ビタミンB群(B1、B2、B6、葉酸)、オリゴ糖、必須アミノ酸、食物繊維などが豊富に含まれています。
さらに麹菌が30種以上の酵素を生成。甘酒が「飲む点滴」と呼ばれる理由は、その成分が点滴とほぼ同じだから。
しかも、これらの栄養素を一度に摂取することができる点も同じです。
ノンシュガーなのにどうして甘い?
麹で作る甘酒の甘さは、麹の酵素が米の澱粉質を分解してできるブドウ糖によるもの。
ご飯をよく噛んで食べると甘く感じるのと同じで、自然の甘さでヘルシー。
自家製甘酒を作る場合は、発酵時間で甘さの調整を!10時間以内で時間がたつほど甘くなります。
甘酒、酒粕、白酒の違いは?
3種とも見た目はそっくりですが、中身は似て非なるもの。
本来、甘酒と呼ばれるのは、米麹で作る、アルコールを含まないものです。
酒粕に砂糖を加えたものも甘酒と呼ばれていますが、正しくは粕湯酒といい、アルコールを含み、成分も全く違います。また、ひな祭りに飲む白酒は、焼酎に米麹などを仕込んで1ヶ月ほど熟成させ、これをすりつぶしてできたアルコール飲料です。
最近、美容や健康で注目されているのは、アルコールを含まない甘酒です。
甘酒は江戸時代の人たちの栄養ドリンク!
甘酒の歴史は古く、奈良時代にはづでに飲まれていたといわれています。
江戸時代に入ると町に甘酒売りが現れて、庶民にも親しまれるようになり、夏の風物詩の一つに。
当時は栄養事情が悪く、過酷な暑さから亡くなる人が多かったそうです。
栄養豊富な甘酒は、夏バテに効くという事から、体力回復の飲み物として重宝されました。また、子供達には、甘酒を布でこして煮詰めた水あめが人気でした。
俳句の世界で甘酒が夏の季語になっているのは、その名残です。
「麹」と「糀」
「こうじ」の漢字は、「麹」と「糀」があります。
「麹」は中国から伝わった漢字で、米や麦、大豆など穀物で作った麹全般を意味する字として使われています。
一方「糀」は、米糀のみを意味する字で、日本で作られた国字。米に花が咲くように糀が生えること・・・を表現した文字です。
甘酒の美容と健康効果
古くから愛飲されていた甘酒は、美味しいだけじゃなく、美容や健康に良い働きがたくさんあります。
ブドウ糖、ビタミン群、必須アミノ酸などの豊富な栄養素が一度に摂れる「元祖健康ドリンク」の効果や飲み方を紹介します。
1.ビタミン吸収率80%以上?飲む美容液!
甘酒を作る過程で、麹菌が米の表面で繁殖してビタミンB1、B2、B6、ビオチン(ビタミンH)、パトンテン酸など、ビタミン群を大量に作り出します。
ビタミンB群の中でもビタミンB2は、肌、髪、粘膜の保護に必要とされる栄養素です。
しかも、これらは体内への吸収率が約80%以上といわれ、即効性が高いのが特徴。甘酒を飲むことでの肌の変化が楽しみになります!
2.冷え性解消!
冬は寒さで、夏は冷房で体が冷えている方も多いはず!
冷えが気になる人、風邪でつらい人に飲んで欲しいのが、甘酒にしょうがの絞り汁を加えたホットドリンクです。
この飲み物は、江戸時代の書物にもよく出てくるそうです。
しょうがには、ジンゲロールとショウガオールの2つの辛味成分が含まれていて、これらの成分が体内の血行を促進し、エネルギー代謝を高めてくれることで、体が温まります。
また、しょうがの辛味が胃を刺激して活性化するため、甘酒の栄養成分の吸収もよくなります。食欲のない日にお試しを!!
3.眠れない日のリラックスドリンク
昼間に頭を使いすぎたり、全身に疲労を感じたりすると、なかなか寝付けないことがあります。
そんなときは温かい甘酒を軽く1杯!
甘酒に含まれているビタミンB群は、脳の疲労回復にも効果的。脳に栄養がまわり、体が温まると心身ともにリラックスし、ぐっすり眠れます。
睡眠の質も高まり、翌朝の体調や目覚めが変わります。
4.麹菌の還元作用で美肌に!
甘酒に含まれる麹菌は、還元作用の高いコウジ酸、チロシン、フェルラ酸、バニリン酸、シナピン酸が豊富に含まれています。
例えば、コウジ酸にはメラニンの生成酵素でもあるチロシナーゼの分泌を抑える作用があり、シミやそばかすなどの日焼け後に起こりやすい色素沈着の発生を予防。
これにより美白効果が期待できます。また、コウジ酸には抗酸化作用があるため、アンチエイジングにも効果的。
昔から杜氏の手が白くてキレイなのは、麹菌の恩恵によるものと言えるのです。
※杜氏(とうじ)とは、”酒蔵の最高製造責任者”のことをいいます。
5.甘酒はダイエット中のおやつに最適
ダイエット中に甘いものが欲しくなったら、甘酒を飲んでください。
小腹が空いた時に甘酒を飲むと、ストレスからくるドカ食いの防止に。
お米が原料の甘酒は液体なのに腹持ちがよく、トロリとした飲み口は満足感を与えます。甘酒は100gで81kcal。
主なエネルギーは糖質で、脂質はほとんどありません。甘酒の糖質は体内に蓄積されにくく。優先的に消費されるので取り過ぎない限り、甘酒は太りにくいのです。
カロリーが気になる人は、その分ご飯を控えると良いですよ。
6.腸を健康に整え免疫アップ
腸は病気から体を守る、重要な免疫器官の役割を担っています。発酵菌が腸を通過するとき、菌の生死にかかわらずそれらは腸の免疫スイッチをオンにします。
最近の研究では、甘酒の米麹に含まれるグルコシルセラミドという成分が、腸内の善玉菌を増加させ、免疫を保つ細胞を活性化する物質を増やすことも明らかになりました。
甘酒には腸だけでなく、体を守る免疫を整える力があります。
7.腸内環境を整えスッキリ!
ジャパニーズヨーグルトとも呼ばれる甘酒には、麹に由来する食物繊維やオリゴ糖が豊富に含まれています。
オリゴ糖が善玉菌のエサになるため、毎日甘酒を摂ることで善玉菌が増えて腸内環境が整い、便秘を改善してくれます。
ヨーグルトは豆乳などで割ると、より良い効果が期待できます。
8.朝の甘酒は脳をシャキッと!
朝の目覚めが悪い人は、糖質不足かもしれません。甘酒には、すぐに脳のエネルギーになるブドウ糖が20%以上含まれています。
甘酒は脳がエネルギーとして使うことができる、唯一の糖質であるブドウ糖を含有。十分なブドウ糖が脳にまわることで、やる気や集中力がアップ。
食欲も時間もない朝の朝食代わりに飲むと、脳のパフォーマンスアップにもなります。
9.必須アミノ酸の宝庫!
人間の体は、約20%がタンパク質で出来ています。たんぱく質は主に筋肉や消化管、血中のヘモグロビン、髪や皮膚のコラーゲンなど、体の重要な組織を作ります。
このタンパク質を構成しているのが20種ものアミノ酸です。なかでも意識して摂りたいのが必須アミノ酸と呼ばれる9種類のアミノ酸。
これらは体内で生成できないため、食べ物からの摂取が必要です。甘酒には、この必須アミノ酸が非常に多く、しかもバランスよく含まれていて、その量は自然食品の中ではダントツです。
10.疲労回復のスタミナ飲料
甘酒は、生命を維持する上で欠かせない、エネルギー源のブドウ糖が多いだけでなく、体内で糖質をエネルギーに変えるビタミンB群、スタミナ源となるアミノ酸を豊富に含みます。
中でも、運動中にエネルギーとして利用される3種類のアミノ酸はBCAAと総称され、疲労物質の乳酸の発生を抑えます。
近年、甘酒を飲料にしていた長距離陸上選手の疲労度が軽減、という研究報告があります。甘酒は、運動後や疲労回復に効果的な飲み物なのです。
甘酒の1日の摂取目安量
甘酒のカロリーは100gで81kcal。
甘酒の1日の適量は特にありませんが、ダイエットなどを気にしている人は、1日100~200gを目安に。
100gずつ朝と夜に分けて、あるいは小腹が空いた時のおやつに。
甘酒の作り方!炊飯器でほったらかし??
甘酒は炊飯器があれば誰でも簡単に作れます。しかもほったらかしで・・・。
では、驚くほど簡単な自家製甘酒の作り方を紹介しますね。
【準備するもの】
炊飯器
密閉保存袋
布
【材料】
生麹の場合
生麹・・・300g
水・・・300ml
乾燥麹の場合
乾燥麹・・・150g
水・・・500ml
【作り方】
1.米麹+水を入れる
作る前に手をキレイに洗います。清潔な密閉保存袋に生麹または乾燥麹を入れてほぐし、水を入れます。
2.混ぜる
袋の空気を抜き、しっかりと口を閉じます。袋の上からよく混ぜてください。
3.セットする
炊飯器の保温スイッチを入れます。お釜の底に布巾を敷き、その上に2を口を上にして入れてください。
保温設定が出来る炊飯器は60℃に、もしくは低温保温モードにセットします。どちらもない場合は、保温スイッチで可。
4.保温する
炊飯器のフタを開けたままにし、タオルや布をかけ5~10時間の保温で完成!
時間が長いほど甘く仕上がります。
5.完成!保存法
4を冷まして冷蔵庫に入れます。2~3日は保存可。
冷凍庫なら2~3ヶ月は保存可能。そのままの袋で、平らにならして冷凍します。
冷凍保存は品質が変わりにくく、糖度も上がります。
市販品の甘酒選びのポイント
家で作れるのはわかっていても、やっぱり面倒だ~~という方へ、市販品の甘酒選びのポイントを紹介しますね。
甘酒選びのポイント
- 酒粕ではなく、米麹から作ったものを選ぶ
- 塩、砂糖、酒精などを加えていないもの
原材料が米、米麹だけのものを選ぶ - 冷凍や冷蔵ものを選ぶ
今は色んな甘酒が売られています、ぜひ上記のポイントをおさえて選んでみてください。
「甘酒」炊飯器ほったらかし調理 まとめ
いかがでしたか?
今回は、甘酒の歴史や栄養成分、炊飯器を使ってほったらかしで簡単につくれる方法を紹介しました。
甘酒といえば今ではどこでも購入できるほど種類も豊富で、人気の栄養ドリンクです。手軽にスーパーで買うのも良いですが、家にある炊飯器を使ってのほったらかし調理をしてみませんか?
自分好みの甘さに整えて作ってみると、やみつきになるかもしれませんよ!ぜひ参考にしてくださいね。