社交不安障害とは、人前に出ることや、特定の場面で、極度の不安を感じることで
日常生活に支障が出てしまう病気のことです。
今回は、社交不安障害についてまとめてみました。
社交不安障害とは
人前でのスピーチや、知らない人との会話などで
緊張することは誰にでもありますが、
その度合いが高くなると、「人見知り」といわれます。
本来、人見知りとは、子供が家族以外に対して、照れたり、
恥ずかしがったりする様子を言いましたが、
最近では、大人にも使われるようになりました。
この、大人の人見知りは気分転換することで、
緊張がとけたり、極端に人を避けたりしなければ問題はないですが、
症状が重い場合は、「社交不安障害」の可能性があります。
社会不安障害の症状
社会不安障害の基本的な症状は、
「自分に対する他人の評価が怖い」という、
不安や恐怖感の心理的な問題ですが、
具体的な悩みは、不安や恐怖を感じると現れる身体症状です。
・手足が震える
・息苦しくなる
・動悸がする
・大量の汗をかく
・顔が赤くなる
・声が出なくなる
・頻繁にトイレにいきたくなる などです。
こうした症状を意識してしまうと「あの症状がまた出るのでは」という恐怖感を覚え、ますます緊張をする場面への苦手意識が強まり、悪循環に陥ってしまうのです。社会不安障害の治療法
社会不安障害の治療法には2つがあり、薬物療法と認知行動療法です。
実際の治療では、この2つの治療法を併用することが多いです。
・薬物療法
最近の研究では、社会不安障害は、セロトニン神経系とドーパミン神経系の
機能障害により発症するのではないかと推測されていて、
その発症原因について、世界中で研究が進められています。
日本では、社会不安障害という病名で厚生労働省に認められている薬は一つしかなく
患者さんの症状により、抗うつ薬や抗不安薬なども治療で使われています。
現在、社会不安障害という病名で、承認を受けるために進められている治験もあります。
・認知行動療法
認知行動療法は薬物療法より歴史が長く、精神療法の中でも重要な治療法ですが、
日本ではあまり知られていません。
認知行動療法では、エクスポージャー、ソーシャルスキルトレーニング(社会技術訓練)
などの方法で、実際に恐怖を感じる場面に直面した時、
不安感を、自分でコントロールできるようにします。
薬物療法と違い、副作用が少ないのが利点ですが、
患者さん自身も、努力しなければなりません。
そのため、認知行動療法では、問題点を順番に洗い出し、解決できそうな問題、
患者さんも大きな不安と感じないような、小さな事から
順番に解決していく方法です。
まとめ
社会不安障害は、昇進や、ママ友の交流などなど、
環境の変化で気づく場合があります。
放置すると、悪化・長期化してしまう可能性もあるので、
半年以上、苦痛が続くなら、医師に相談してください。