爽やかに澄み渡る秋の空に浮かんでいる雲。
その美しさには、思わず見とれてしまいますが、
実は、秋の雲は天候が崩れる予兆とも言われています。
今回は秋の雲についてまとめました。
秋の雲の正体は?
「夏の雲は岩の如く、秋の雲は砂の如く」
これは俳人の正岡子規の言葉です。
変化に富む秋の雲の特徴を見事に捉えていますよね。
空気が澄み切った秋の空は美しくて、
表情も色々で見飽きることはありません。
夏は強い上昇気流によって、
積乱雲のように縦にモクモクと成長する雲が多いのに対して、
秋は氷点下マイナス40度以下の高所にある対流圏に、
薄く横に流れるような雲があらわれます。
いつも何気なく見上げている雲ですが
秋の雲の正体は、上空10km以上もの高所に浮かんでいる氷の粒です。
これが上空の強い風によって流されながら蒸発することで、
細かい糸のような秋らしい雲になります。
秋の雲の名前
秋の雲は、空に浮かぶ羽のような芸術作品です。
形の違いにより様々な名前がついています。
秋の雲の代表格といえば、鳥の羽のような雲「巻雲」(けんうん)
「すじ雲」や「はね雲」とも言われています。
空一面に細かい小石を規則正しく並べたような
雲片が広がるのが「巻積雲」(けんせきうん)。
一般的に「うろこ雲」「いわし雲」と呼ばれる雲です。
「巻雲」との違いは、雲が塊状になっていること。
そして、巻積雲の雲の塊が少し大きくなったのが
「高積雲」(こうせきうん)です。
別名「ひつじ雲」「まだら雲」とも言われています。
小石より大きな毛玉のような塊が空に浮かび
私たちを楽しませてくれます。
秋の雲と天候の予兆
高積雲や巻積雲は、低気圧に伴う温暖前線が接近してくると
現れやすくなります。
それが「秋のうろこ雲は天気の下り坂の前兆」といわれる由縁です。
美しい秋の雲が見られる期間は、あまり長くありません。
冬の気配が見えはじめる11月になると
空の主役は秋の雲から、鉛色した重たそうな冬の雲へとバトンタッチします。
まとめ
いかがでしたか?
秋の空は見られる期間が限られています。
今しか見られない秋空の芸術を楽しんでみませんか?