半夏生(はんげしょう)という言葉をしっていますか?
普段、あまり聞く機会はないかもしれませんが、昔ながらの季節を表す言葉で、
地域によって、様々な食べ物を食べる風習も残っています。
そこで今回は、半夏生の意味や、由来、半夏生の日の食べ物についてご紹介します。
半夏生とは?
半夏生(はんげしょう)は雑節の1つです。
雑節には、9つあり、節分・彼岸・社日・八十八夜・入梅
半夏生・土用・二百十日・二百二十日、です。
半夏生の半夏(はんげ)は「烏柄勺」カラスビシャクという薬草のことで、
6月に鞘をつけ、半夏の生える時期を指し半夏生という説もあります。
一説に、ハンゲショウ(カタシログサ)という草の葉が
名前の通り、半分白くなって化粧しているようになる頃とも言われています。
様々な地方名があり、ハゲ、ハンデ、ハゲン、ハゲッショウなど呼ばれています。
半夏生(はんげしょう)は夏至を3つに分けた、最後の3分の1の期間ことを指し、
夏至から数えて11日目の、7月2日頃から、七夕7月7日頃までの5日間と言われてまいたが、
現在では、天球上の黄経100度の点を、太陽が通過する日となっていて、
毎年7月2日頃にあたります。
この頃に降る雨を「半夏雨」(はんげあめ)と言い、大雨になることが多いです。
地域によっては「半夏水」(はんげみず)とも言います。
また、ドクダミ科のハンゲショウという植物は、
この時期に花が咲くことから、名付けられたという説があります。
風習
農家にとっては、大事な節目の日で、農家の人達はこの日までに田植えを済ませ、
どんなに気候不順な年でも、この後は、田植えをしないという習慣がありました。
「チュウ(夏至)ははずせ、ハンゲ(半夏生)は待つな」という、ことわざがある程で、
田植えは夏至が済み、半夏生に入る前にやることが好ましいようです。
この日は、天から毒気が降ると言われ、井戸に蓋をして毒気を防いだり、
この日に採った野菜は、食べてはいけないとされていました。
なお、七夕にも、農作業を休むとする伝承が多くの地域に伝わっています。
地方によっては、ハンゲという妖怪が徘徊するという言い伝えがあり、
この時期に、農作業をしないようにという戒めになっているようです。
半夏生までに田植えを済ませた農家では、この日の天候で稲作の豊凶を占ったり、
田の神を祭ったりします。
半夏生とタコの関係?
7月上旬といえば、梅雨も後半となる頃です。
農作物を育てる上でひとつの目安となる時期であるため、各地では様々な行事や習慣があります。
そのひとつに、関西では豊作を祈ってタコを食べる習慣があります。
これは、作物がタコの足のように、大地にしっかりと根を張ることを
祈願するといった意味が込められているそうです。
タコには、アミノ酸の一種であるタウリンが豊富に含まれています
蒸し暑さが強まり疲労が増してくるこの季節にタコを食べるのは、
栄養面からみても理にかなっているといえそうですね。
また讃岐地方では、半夏生にうどんを食べる習慣があるのだとか。
7月2日は「タコの日」「うどんの日」とされているのは、半夏生に関連してのことだったんですね。
まとめ
半夏生の意味や、風習についてご紹介しました。
半夏生が過ぎれば、夏がやって来ます。
今年の夏も、めいっぱい元気に楽しみましょうね!